雨の休日、世間はお墓参り…しかし僕ら職人稼業は普通に仕事をこなしている。サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ、とはいかない。とはいえサラリーマンも昔ほど緩くは決してない。僕みたいな極めて外面の悪い人間は世間の誤解と終生戦う事になるがそれほど大変ではない、むしろ厄介や面倒な退屈などとは無縁である。職場や現場に行くと僕の仲間や部下や弟子達がほとんど僕と同じ気構えで職をまっとうしている、僕の安心はそんな人間達が安定剤と化して速効性に富んで効いてくる。そんな時、幸福感を自覚するのだ。人の真意はある瞬間に、またこちら側も瞬時に理解するに至る…そしてそんな時、ほんの少しズレた同時に自らの考えや思惑も認識してしまう。残念な事に正直はついつい残酷な結果を招くものだ。 レッドムーン後藤